現代のダイスゲームのランダム性

サイコロの結果を予測するのは、実際には様々な要素が関わり、測定は困難です。正直に言って測定が非常に複雑なので、全部ひっくるめてランダムなものだと言い表されます。とはいえ確率論や数学、物理学をかじったことのある人なら、この不思議な世界に本当の偶然など存在しないということがわかるはず。

あらゆる作用は反作用を生み、あらゆる原因はその結果と密接に結びついています。これは基本的な論理であり、これに反することの証明を試みるのは時間の無駄でしかありません。これを裏付ける話として、ポーランドの科学者トマシュ・カピタニアックが最近行った実験があります。彼は以下のような実験を行いました。

あまり評価されない実験

ウッチ大学で動力学を研究するカピタニアックは近年、「有限回サイコロを振った場合、そのサイコロの最初の出目が出る確立が圧倒的に高いため、それに賭けるのが一番いい」という主張をしています。つまり最初に1が出たら、その後1000回サイコロを振る中で1が出る回数が最も多いというのです。

しかし実験とその設定について詳しく見れば、カピタニアックのサイコロは常に同じ位置から転がり始めていることがわかります。手の中で振ったり、床に落としたり、壁に当たったりすることはありません。彼の発見は、彼自身の実験の条件内であれば数学的に完全に理にかなっていますが、人気のあるカジノゲームに応用することはできません。サイコロを手の中で振ったり、カップの中で振ったり、あるいは単に壁にぶつかったりした時点で、出目に関わる要素の数は測定不可能なほど膨れあがります。だからこそ、どのサイコロもよく知られた物理法則に従っているにもかかわらず、出目の正確な計算ができないのです。

ベガス・ストリップのいかさま預言者

サイコロの出目を予測できる特別なシステムを開発したという才能と根気のある人たちの物語は、カジノと同じぐらい古くからあるものです。もしあなたが初心者で、カジノゲームの腕を上げるにはどうすればいいか悩んでいるのなら、そうした物語はほとんどがデタラメだということを覚えておきましょう。ギャンブル歴の長い人が何を言おうとも、シンプルな数学で証明されます。現代のカジノでは、クラップスやシックボー用のテーブルがスパンデックスで覆われています。スパンデックスは他の素材より摩擦がはるかに大きく、サイコロがとてもよく跳ねます。その効果は明白で、何度振ろうが、どんなシステムやアプローチを駆使しようが、出目の予測は不可能になります。覚えておくべきルールはただひとつ。ゲームによってはサイコロを振る回数が増えれば、それだけ勝率が指数関数的に下がっていくということです。